マイナンバーについて

[コラム] 2016/09/13

昨年10月以降、各世帯に個人番号(マイナンバー)の通知が送られてきて、今
年からマイナンバー制度が始まりました。

就業規則等に、労働者が個人番号を使用者に提示する旨を新たに規定した会社も
あるでしょう。全従業員の個人番号を収集する担当になって苦労なさった方もい
らっしゃるかもしれません。

たしかに、民間事業者は、従業員の給与の源泉徴収票を提出する際や、雇用保険
や健康保険、厚生年金などの手続の際に、従業員の個人番号を記載することがあ
ります(あくまでも、法令で決められた事務にだけ個人番号を記載するのであっ
て、それ以外の事務で個人番号を利用することは違法です)。

しかし、法律上、労働者が使用者に自分の個人番号を提示する義務はありませ
ん。あくまでも任意に個人番号を提示する制度になっているのです。

個人番号の収集目的や必要性を労働者に説明しても、労働者から個人番号の提示
を断られた場合は、使用者側において、必要な説明と説得をしても拒否された旨
を内部で記録しておけばよく、当該労働者の手続書類の個人番号欄は空欄で提出
すれば、担当の役所は書類を受理します。

ですから、個人番号欄を記載しないと必要な手続ができないという事態は生じま
せん。

個人番号を提示しないことを理由に、給与を払わないとか、解雇する等の不利益
取扱いをすることは違法です。

厚生労働省も、パンフレットで、「マイナンバーを提供しないことを理由とする
賃金不払い等の不利益な取扱いや解雇等は、労働関係法令に違反又は民事上無効
となる可能性があります」と注意を促しています。

厚労省のパンフレット
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12600000-Seisakutoukatsukan/0000122574.pdf
弁護士 出口 かおり